みなさんこんにちは!
決めたらすぐ.com 管理人のとめきちです!
2018年8月26日(日)、関東北部で局地的に激しい雨が降りました。
実は、このゲリラ豪雨の発生と同時にSNSやTwitterでは『空にラピュタの竜の巣がある!』『あのエリンギみたいな雲が不気味…』などと話題があがり、8月最後の日曜日にして『これは大地震の前触れでは!?』との憶測が世間を騒がせていました。
…どうやらこの雲の正体は、成長した積乱雲。
その名『かなとこ雲』の仕業であったようです。
1.空にエリンギ!?かなとこ雲とは!?
『かなとこ雲』とは、積乱雲が上昇気流にのって縦に長く成長したもので、頂上付近が傘のように広がり、平らになっている雲を指します。
金属加工に使用する金床に形状が似ていることから、この名前で呼ばれているようですね。
かなとこ雲(かなとこぐも、Incus)とは、成長した積乱雲のうち、頂上部分が広がって平らになっているもの。
雲形分類では、部分的に特徴のある雲を細分類した「副変種」として扱われ、積乱雲だけに見られる。出典:Wikipedia-かなとこ雲
さて、下の画像は、平成30年8月26日(日)にウェザーニュースで掲載された、実際のかなとこ雲の画像です。
<出典:weathernews>
いやいや…。
ゾッとしますね。凄まじい迫力です。
たしかに、あの中に天空の城ラピュタがあっても違和感ないような…。
前述のとおり、かなとこ雲は積乱雲の成長に伴って出来た雲なので、この雲の直下では局地的な豪雨になっている事が多く、突風、竜巻、落雷、場合によっては雹(ひょう)や霰(あられ)が降るなど、非常に危険な状況になります。
珍しい雲だからと言って、雲の真下に行くことのないようにしましょうね笑。
ちなみに、私はこの雲の存在を知らず、当時ピカピカとやたら光る雲を見ても、遠くの方で打ち上げられた花火が、雲で隠れているだけだと思っていました…。
どうやら、頻繁に発生した雷だったようです。
いったいあの中に人間が入ったら…と考えると震えてしまいますよ。
2.マジ?不思議な形の秘密!
それでは、なぜこのような不思議な形になるのでしょうか?
実は、積乱雲というのは大気の対流によって発生する上昇気流にのって、もくもくと高く大きく成長していきます。
そして、成層圏に近づくと今度は横に広がり始める性質を持っているんです。
もう少し詳しくお話ししていきましょう。
『大気圏(たいきけん)』って言葉は聞いたことはありますよね?
スペースシャトルが打ち上げられる時に突入するアレですね。
大気圏はいくつかの層で出来ていて、地表から高度約11kmまでを『対流圏(たいりゅうけん)』、その上の層は『成層圏(せいそうけん)』と呼ばれています。
そして、対流圏と成層圏の間には『対流圏界面(たいりゅうけんかいめん)』と呼ばれる境界領域があります。
実は、この対流圏界面では上昇気流が薄れる性質があり、下から上昇してきた雲はこの境界領域が邪魔することによって、それ以上の上昇が難しくなります。
しかし、次々と雲が上昇してくるため、行き場を失った雲は対流圏界面に沿って横に広がるしかない状態になります。
つまり、肉眼では見えませんが、対流圏界面は雲にとって壁のような存在になってしまうわけですね。
<出典:NASA>
上の図はかなとこ雲を国際宇宙ステーションから撮影した画像です。
まさに金床です。
こんなに綺麗に広がるんですね。
3.…というわけで、まとめ笑
かなこと雲は、ぞっとするような自然の脅威を感じる半面で、引き込まれるような神秘的な魅力がありますよね。
発生当時はニュースにもなり、その特徴的な形からスタジオジブリの『天空の城ラピュタ』に登場した『竜の巣』に似ていると話題になりましたが、実はスタジオポノック制作の映画、『メアリと魔女の花』にもかなとこ雲が登場しています!
興味がある方は、ぜひ探しみてくださいね!